ある日突然、大切な人がいなくなったとき。
スマホの中に残った「見えない遺産」が、あなたを困らせるかもしれません。
🕊️ 契約者が亡くなって…
コールセンターで働いていると、「契約者が亡くなって…」「家族が死にまして…」というご相談は年中あります。
その中でも、よくあるのがこの2つ。
- 「○○Payの残高が残っているのに、使えない」
- 「解約したのに、まだ請求が来ている」
請求については、きちんとご家族であることが確認できれば手続きできますし、
最悪、「解約前の分までは支払いが発生する」旨を一般的な案内としてお伝えすることができます。
しかし、本当に問題なのは、残高が使えないケースです。
🔐 なぜ“使えない”のか?
残高が使えない理由。それはシンプルに「ログインできないから」。
アカウントのIDやパスワード(PW)は、契約者本人にしか案内できないルールがあるため、
どれだけご家族が困っていても、私たちから伝えることはできません。
「残高があるのに、どうして使えないの?!」と怒りの声をあげられる方もいらっしゃいます。
本当にごもっともですし、私たちも案内できたらどれだけ良いか…。
でも、“セキュリティ上どうしてもできない”というルールの壁があるのです。
📱 私の実体験
私自身、父が亡くなったときにポイントが数千円分残っていることに気づきました。
IDはわかっていたのですが、なぜかPWが変更されていて、ログインできず。
PWの変更すらできず、最終的に諦めた苦い経験があります。
こういうケース、本当に多いんです。
📑 手続きを進めるには…正直、めちゃくちゃ大変
遺言書があれば別ですが、現代でそれを用意している人は少数派です。
その場合、手続きには以下のような書類が必要になります:
- 遺産分割協議書(相続人全員のもの)
- 契約者本人の生誕から死亡までの戸籍謄本
- 残高を引き継ぐ人の戸籍謄本
- 印鑑証明書
- その他、サービスごとに異なる追加書類
案内する側としても正直、かなりややこしくて、わかりにくい。
お客様の中にはちゃんと手続きをされる方もいますが、多くは「そこまでしなくても…」と諦めてしまわれます。
💬 私が伝えたいこと
この仕事をしていて、本当に思うのはこれ。
アカウントのIDとPWは、最低でも配偶者(パートナー)には共有しておくべき。
全部を伝えるのが難しければ、せめて「ここを見たら書いてあるよ」というヒントだけでもいいんです。
自分に万が一のことがあったときに、大切な人が困らないように。
それだけでも、じゅうぶん「生前整理」です。
私自身、夫とはIDやパスワードを共有しています。
スマホのロック画面も、お互いの生体認証(指紋や顔)を登録し合っていて、パターンも伝えています。
別に隠すものもありませんし、何より、いざというときに困らないのが一番大事だからです。
✅ まとめ:今すぐできる3つの対策
- 信頼できる家族とID・パスワードを共有
- スマホのロック解除情報を相互に登録(指紋・パターンなど)
- 利用中のサービス一覧をメモしておく(紙でもアプリでもOK)
このことは義母にも話しました。
それくらい、私はこの「情報の共有」が大切だと考えています。
「もし自分が突然いなくなったら?」
この記事を読んだ方も、ぜひ一度考えてみてください。