母との関係が悪くても、介護はやってくる
母と私は、昔から水と油のような関係でした。 近くにいればケンカになる、そんな距離感のまま大人になって── まさか、自分がその母の介護をするなんて、思ってもみませんでした。
正直、しんどい。 たまに、死んだ父に泣きつきたくなることもあるんです。
母の介護にかかるお金が、地味に重い
母は人工透析を受けていて、施設で暮らしています。 医療費とは別に、こまごまとした出費がとにかく多い。
- テレビカード(月に1万円以上)
- 読まれない本や解かれない問題集
- 毎日1袋食べる高級のど飴(龍角散)
- 食事制限があるのに欲しがる果物(いちご、びわ、パイナップル…)
施設で出ているはずの果物を「もっと食べたいから買ってきて」と頼まれる。 リーフパイなどは「今は食べたくない」と拒否。
「ちょっとしたこと」と思うかもしれませんが、 積み重なると本当に負担が大きいんです。
母の外出要求に振り回され、私の予定が崩れる
ある日、母が「外に出たい」と言い出しました。 久しぶりだったので付き添って出かけたら、 それがきっかけで「また連れて行って」と外出要求が加速。
私には、私の予定もある。 それを伝えても、どこ吹く風。
用事の合間に届け物をしても、「筆ペンを忘れてる」「パンを買いに行きたかった」と文句。 ひとつひとつは些細なことでも、積もると本当に心が削られます。
母との関係は変わらない。介護になっても、距離感はそのまま
親だから、好きになれるとは限らない。 介護になったからって、関係が急に良くなるわけじゃありません。
母のことを、嫌いなわけじゃない。 でも、近くにいるとどうしてもぶつかってしまう。 もともとの関係性があるからこそ、介護がしんどい。
父がいなくなった今、頼れる人がいない苦しさ
本音を言えば、亡くなった父に泣きつきたい。 「なんで私ばっかりなの?」 「なんで全部、私が背負うことになったの?」
介護は誰かがやらなきゃいけない。 でも、それが「水と油の母と私」だったなんて…皮肉すぎる。
不仲な親の介護に正解はない。でも、心は叫びたくなる
介護に正解なんてない。 それは分かってるけど、 今日もまた、スーパーで母の好きな果物を選びながら思ってしまいます。
「これでよかったのかな?」って。